こんにちは、NIAです🦋✨
今回は2014年公開、スティーヴン・ナイト監督が描くサスペンスアクション映画。
『トランスポーター』や『エクスペンダブルズ』シリーズの人気アクション俳優ジェイソン・ステイサムが、復讐に燃える元特殊部隊員を熱演しています。
最初のシーンの、髪が伸びたジェイソンの姿は衝撃的。
結論を言ってしまうと、ホームレスから成り上がりハッピーエンド、という内容ではありません。ジェイソンお得意の、スリルあふれるアクションシーンも期待しないでください。でも、主人公が次々と悪党をぶっ倒していくシーンは爽快です。
口コミ評価は賛否両論あるようですが、元兵士たちのPTSD問題やキリスト教における贖罪、階級思想についてなど深く考えさせられる内容で、一度は観てほしいおすすめの映画です。
目次
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キャスト
・ ジェイソン・ステイサム: ジョゼフ・スミス(本名)/ジョーイ・ジョーンズ(偽名)役
元特殊部隊の兵士。アフガニスタンで罪のない民間人を殺してしまったため軍法会議にかけられ、それから身を隠すようにホームレスに。
・ アガタ・ブゼク: シスター・クリスティナ役
修道院のシスター。過去のある事件から傷を負っている。
・ ヴィクトリア・ビューイック: イザベル役
ジョゼフと共に生活をしていたホームレス少女。
・ ヴィッキー・マクルア: ドーン役
ジョゼフの妻。アフガニスタンから帰国しても家に帰らなかった夫に不満を募らせている。
あらすじ
ロンドンの暗黒街で、絶望のどん底を這う男。彼の名はジョゼフ・スミス。かつては特殊部隊を率いる軍曹だったが、そこで犯した罪から逃れるため、家族や社会からも距離をおき、息をひそめて暮らしていた。ある日、唯一心を通わせた少女が拉致されたことで、彼の人生が大きく動き出す。彼女を救うために他人になりすまし、裏社会でのし上がっていくジョゼフ。しかし、少女の残酷な運命を知ったとき、彼の怒りは決壊、復讐の炎と化す。過去に犯した罪、そして自らの人生にも決着をつけるため、ジョゼフが最後に下した決断とは――?
引用元:AmazonPrimeVideo
ホームレスになった兵士
元イギリス特殊部隊のジョゼフ・スミス軍曹は、アフガニスタンの戦場で仲間たちを殺され、報復として無関係の民間人を独断で殺害したことで罪に問われていました。
その姿は無人偵察機「ハミングバード」によって監視されていたため、ジョゼフは軍法会議にかけられることになり、陸軍病院から脱走します。
その後戦後のPTSDによってドラッグと酒に溺れていたジョゼフは、ロンドンでホームレスに身を落としていました。妻子からも離れ、惨めな彼の境遇を慰めてくれるのは、同じ段ボールで過ごすホームレスの少女イザベルだけ。
そんななか、ジョゼフはギャングによるホームレス狩りでボコボコに殴られ、たまたま逃げ込めた高級アパートメントに隠れます。
落ちぶれたジョゼフの姿。😦…
そこの住人はNY滞在中で10月1日まで半年以上も不在であったため、”彼氏”を装ってそこで間借り生活を始めます。
その後、はぐれたイザベルを探しにホームレスに食事を配給するシスター・クリスティナのもとを訪れます。しかし見違えるほど変わったジョゼフを見て通報しようとしたので、彼女に500ポンドを渡しその場を後にします。
真面目なクリスティナは受け取るか迷いますが、シスターからの助言によって昔からの憧れだったバレリーナの10月1日の引退公演のチケットを購入するのでした。
ケガの治療のため再びクリスティナのもとを訪れたジョゼフ。ジョゼフは真っ当な人間として生きるクリスティナから希望を見出していきます。
裏社会へ
彼はギャングに襲われた際にはぐれたイザベルの捜索をしながらも、中国マフィアの元で裏社会の仕事に手を染め、名を上げていきます。稼いだお金でホームレスたちに食事を届けたり、今まで食事をくれたお礼にとクリスティナに真っ赤なドレスを贈ります。
そんななか、探していたイザベルが変わり果てた姿で川で発見されるという最悪の知らせをクリスティナから聞かされます。
それを知ったジョゼフの怒りは頂点に。
「スープより、人生を返してやれ!!」
目の前のクリスティナに訴えた、世間のどん底を知る彼の悲痛な叫び。
彼は復讐の鬼となり、イザベル殺害に関わった者への報復を開始します。
過去の罪にとらわれた2人
その後ジョゼフはクリスティナを写真展に誘います。
真っ赤なドレスを着てジョゼフに会いに行ったクリスティナは、それまでの質素な修道服姿から美しく変貌し、ジョゼフの目を奪います。
ジョゼフは 何もかも捨て、クリスティナと共に生きることを願いますが、彼女もなお、10歳のころ自分にイタズラをした体操教員を殺害したという過去を背負っていたのです。
恋も知らないまま修道院で罪を償うクリスティナにとって、夢のまた夢であった真っ赤なドレス。そして恋。
願ってもみなかった恋の訪れでしたが、クリスティナはアフリカへボランティアへ行くことを決意するのです。ジョゼフより犯した罪への贖罪の道を選んだクリスティナ。あまりにも悲しく切ない2人の恋。
ついに報復
クリスティナは幼いころからの憧れだったバレリーナの引退公演にジョセフを誘います。
しかしジョゼフはそれを断り、中国人マフィアの力を借りてついにイザベルの報復を果たすのです。
「下にいる気持ちを知れ」
そう言い放ち、イザベルの報復を果たしたジョゼフ。
しかし過去に犯した罪からは逃れられない、変わらない現実。
いい人にはなれないが、せめて努力はしたい―。
ジョセフは妻子や間借りしていた部屋の家主に大金を残し、ホームレスにも募金をします。そして最終的にはマフィア組織の人身売買の情報を警察に提供します。
全ての目的を成し遂げたジョゼフは再び路上生活者に戻ります。
しかし、上空から監視していたハミングバードに見つかり、「逮捕せよ!」の無線の声で物語は終わります。逮捕されたか、それとも再び逃げられたのかはわからないままでした。
さいごに
この映画は時折”ハミングバード”の映像が流れます。ハミングバードとは無人偵察機のこと。ジョゼフはマフィアに潜入し、最終的に情報を警察に提供しているので、潜入スパイとして役目を負ったことになります。
この映画のタイトルがハミングバードであるのは、結果的に主人公自身がハミングバードであったということなのではないでしょうか。
これまでずっとジョゼフを追ってきた警察が、金持ちが殺された途端に本腰を入れジョゼフを発見したのはなんとも皮肉でした。政府は上層にいる者たちのことしか見えていない、ジョゼフが言い放った「下にいる気持ちを知れ!」というセリフが胸に刺さります。
実際にアメリカでは戦後のPTSDによって仕事にありつけない貧困層が少なくないそうです。
ジョゼフが過去の罪に苦悩する姿が何とも言えないくらい哀愁を帯びていてかっこよかったですが、彼もクリスティナも、最後まで罪を背負い続け、自分自身の人生を生きようとはしませんでした。
キリスト教では、「人は生まれながらにして罪人」であり、どんなに熱心な信仰生活を生きていても、ひとつの「大罪」で地獄行きが決まるのだそうです。 それを免れるためには「懺悔」が不可欠。対して仏教は「良い行い」「悪い行い」を天秤で測るという考え方なのだそうです。
宗教を語れるような分際ではないですが、過去の罪を背負うクリスティナの姿を見て、もう自分の人生を生きてほしいと願った私は人を善悪だけで測ってしまっているのか、物事の見方を今一度考えさせられました。「自分の罪を一生背負って生きていく」ということが一番の「懺悔」。私たちは自分の人生での行いにきちんと向き合っていれているのでしょうか。
最後まで読んでいただいてありがとうございました☺